『夜と霧』①
この本は自分が読もうと思ったわけではなく、友人のすすめで読み始めた
しかし自分も前々から、アウシュビッツやナチスドイツに興味があったので、
それらを知るとてもいい機会になっている
『夜と霧』はアウシュビッツに収容された精神科医の体験を綴った本である
著者は精神科医なので正常者が異常になるような環境下で、
自分を保ち、さらに分析することができるのである
ところどころ目をつぶりたくなるような描写も多々あり、
実際にこんな事が行われていたのかと思うととてもゾッとした
自分なら生き長らえようと思うより、すぐ死を選ぶだろうと思った
この本を読んでいくうちに
人間は自分が思っているよりもずっと強いものであるとわかったが
人間は自分が思っているよりもずっと非道なものであるともわかった
アウシュビッツの収容生活は本当に自分の生活とかけ離れていたが
自分が普段感じることに近いことがひとつあった
それは、収容生活の中で戦況の噂がながれてきて、
もうすぐ戦争が終わるかもしれないと希望を抱くが、
実際は戦争は終わらずに失望するというものである
希望→失望は精神的にとてもしんどいもののようであると著者は解説している
自分の生活で置き換えてみると、
台風が来て学校が休みになるかもしれないと希望を抱くが、
普通に学校に行かなければならないというものだろうか
自分はこのようなときには、
期待を裏切られたくないので、
いつも最悪を想定しているが、
アウシュビッツに収容された人々は、
ただでさえ地獄のような環境にいるので、
戦争が終わって自分たちが開放されるという希望を抱かずにはいられない
というのももっともであると思った
同時に、
地獄のような環境にいるにもかかわらず、
自分を保つことができる筆者は
いくら精神科医といえども一人の人間として正常とは言えないなと思った
つづく